呼吸の安定化の流れ

初期処置終了後、児の状態を確認します。

  • 1) 自発呼吸あり

  • 2) 心拍100/分以上

  • を確認できたら呼吸の安定化の流れに向かいます。

1) 自発呼吸がどのような呼吸であるかの確認をします。

2) チアノーゼの有無を確認し、SpO2モニタを装着して酸素化の評価をします。

チアノーゼと酸素化の評価。

①中心性チアノーゼ

②末梢性チアノーゼ

③酸素化はアルゴリズムに記載されたSpO2の値で評価します。

3) 努力呼吸もなくチアノーゼもなく酸素化が良好の場合は「蘇生後のケアと観察」に移動します。

呼吸、心拍、SpO2、体温について、モニタリング装置なども利用して連続的に、あるいは継続的に、慎重に観察します。

4) 努力呼吸やチアノーゼ(酸素化不良)がある場合にはSpO2モニタを装着し、児の状態を評価しながら治療介入を考慮します。 努力呼吸やチアノーゼ(酸素化不良)が継続する場合にはCPAPもしくはフリーフロー酸素を行います。

  • ○CPAP
  • 1)流量膨張式バッグを用いたCPAP
  • 2)Tピース蘇生装置を使用したCPAP
CPAP(流量膨張式)の動画を見る(音声が出ます) CPAP(Tピース)の動画を見る(音声が出ます)
  • ○フリーフロー酸素
  • 1)流量膨張式バッグ
  • 2)酸素チューブを手で持ち、カップ状にして手を児の口元にかざす。(自己膨張式バッグでは原則フリーフロー酸素投与は行わない)
  • 3)Tピース蘇生装置

5) 概ね30秒間の処置後

  • ①改善傾向がある場合→さらに30秒CPAPや酸素投与を行い、呼吸状態の評価を続けます。
  • ②改善傾向がない場合→原因検索を行いながら、努力呼吸と酸素化不良が共に続く場合は、人工呼吸や気管挿管などを考慮します。

6) 蘇生後のケア

①一貫した体温管理

アルゴリズム全体を通して体温維持を意識することが大切です。 「不注意な低体温は死亡率、罹患率(脳室内出血や肺出血、低血糖、敗血症、等)の増加に関連している」という観点から出生後、入院までの間に至適体温(中心体温で36.5〜37.5℃)を保つことの重要性が強調されています。 高体温(>38.0℃)も新生児死亡率、罹患率の増加に関与するため、予防することが大切です。

②低体温療法

欧米を中心に行われた複数の大規模臨床試験により在胎36週以上の中等度〜重症の低酸素性虚血性脳症(HIE)に対して低体温療法(33.5〜34.5℃)を生後6時間以内に開始し、 NICUでの他の治療と組み合わせることで、18ヶ月後の死亡率と神経学的後遺症を有意に減らすことが示されています。

<低体温療法の適応基準>

基準A 全身低酸素虚血の客観的所見

少なくとも以下のうちの一つを満たす

  • ・生後10分のApgar スコアが5点以下
  • ・10分以上の持続的な新生児蘇生(気管挿管、バッグマスク換気など)が必要
  • ・生後60分以内の血液ガス(臍帯血、動脈、静脈、末梢毛細管)でpHが7未満
  • ・生後60分以内の血液ガス(臍帯血、動脈、静脈、末梢毛細管)でbase deficitが16mmol/L以上

基準B 脳症の主観的所見

中等症から重症の脳症(Sarnat分類2度以上に相当)

意識障害(傾眠、鈍麻、昏睡)は必須項目

上記に加えて以下の一つを認めるもの

  • ・筋緊張低下
  • ・“人形の目”反射の消失もしくは瞳孔反射異常を含む異常反射
  • ・吸啜の低下もしくは消失
  • ・臨床的けいれん

基準C (必須ではない)中等度以上のaEEG異常

少なくとも30分間のaEEGの記録で、基礎律動の中等度以上の異常、もしくは発作波を認めるもの。

<低体温療法の除外基準>

  • ・冷却開始の時点で生後6時間を超えている場合
  • ・在胎36週未満 出生体重が1800g未満
  • ・現場の医師が、全身状態や合併症から、低体温療法によって利益を得られない、あるいは低体温療法によるリスクが利益を上回ると判断した場合
  • ・必要な環境がそろえられない場合

③血糖管理

蘇生を要した新生児は血糖異常のリスクがあります。蘇生後早期に血糖を測定して低血糖が認められればブドウ糖の静脈内投与を含む速やかな対応が必要となります。 血糖値が正常範囲に安定するまでモニタリングを行います。血糖や電解質の管理はけいれんや不整脈の予防、予後の改善という点からも重要です。

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