出生直後のチェックポイント(①早産児、②弱い呼吸か啼泣、③筋緊張低下)のうち、いずれかを認める新生児に対しては、蘇生の初期処置を行います。
1) 保温
保温に関してはNCPR2015から、蘇生全体を通じて体温維持が重要であることが盛り込まれ、出生直後から蘇生・入院中を通じて36.5~37.5℃で維持することが推奨されるようになりました。
また、入院時の体温を予後予測因子として記録すべきであるとされています。
在胎週数32週未満の早産児では、高体温に注意しながら、ラジアントウォーマーだけではなく23~25℃の適切な環境温度、温かいブランケット、プラスチックラップ、帽子、温熱マットレスなどを組み合わせて入院時の低体温(36.0℃未満)を予防することが提案されています。
在胎28週未満の早産児では、26℃以上の環境温度を考慮します。
2) 気道開通(体位と必要に応じての吸引)
②吸引
- 気道開通体位をとった後も啼泣が見られない場合や、呼吸努力があるにもかかわらず十分な胸郭挙上が認められない場合などは、気道閉塞の可能性が考えられるため吸引を行います。
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<気道開通のための吸引におけるポイント>
- ・ルーチンでは行わない
- ・正期産児では10Fr、羊水混濁がある場合は12Frまたは14Frカテーテルを使用する
(低出生体重児では、児の大きさに応じて6Frまたは8Frカテーテルを使用する)
- ・吸引圧は13kPa(100mmHg)を超えない
- ・口➡鼻の順番で吸引する
- ・カテーテルを深く入れすぎない
- ・1回の吸引操作は5秒以内で行う
3) 皮膚刺激
乾いたタオルで皮膚を拭くことは、低体温の予防だけではなく、呼吸誘発のための刺激ともなります。皮膚乾燥や吸引の後も十分な呼吸がないときには、以下のような皮膚刺激を行います。
- ① 足底を平手でたたく、指ではじく
- ② 背部を優しくこする
その後、再び気道開通体位(あご先挙上)をとります。
4) 蘇生の初期処置にかける時間
初期処置は確実に、かつ手早く行います。人工呼吸が必要と判断した場合は、遅くとも出生後60秒以内に開始しなくてはなりません。出生からインファントウォーマーに移動するまでに時間を要すること、さらに初期処置後に呼吸・心拍の評価を行うことを考えると、初期処置にかけられる時間は15~20秒程度です。
<初期処置の流れ>
- 1)保温し、皮膚の羊水を拭き取る
- 2)気道確保を行う
(気道確保の体位および胎便除去を含んだ必要に応じての吸引)
- 3)優しく刺激する
- 4)再度、気道確保の体位をとる